医学部編入したアカギ

医学部編入に関する忘備録・偏見

コメディカルと編入の相性について

 お久しぶりです。授業開始が遅くなり暇を持て余しています。ここ数年は目の前のことに忙しかったのですが、こうしてダラダラしていると昔のことを思い出しますね。僕自身、現役のときに推薦で保健学科に拾っていただいた身で、本当は医学科に挑戦して見たかったものの逃げた過去があります。当時は勉強以外に社会で評価される能力を持っておらず、病院で働けるならなんでもいいや、程度のモチベーションで受かりやすいほうへ流れました。当然、入学してからは医学科へのコンプレックスで勉強に対して積極的になれず、くすぶっていました。保健学科でも参加できる解剖実習などに参加してみるものの、医学科の知識量に圧倒されて逃げ出したこともあります。見られている方の同期にもいるような、いわゆる学歴コンプです(笑)

 苦しむぜそれじゃあ 死の際 死の淵で‥‥

 

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 付け加えておくと、僕の場合は学歴の高低ではなくて、医師になれなかったことを悔やんでいたパターンです。今でこそ笑い話ですが、もがいたことが未来に繋がりました。

 

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 前置きが長いですね。さて今回は、どの程度の文量で答えればよいか迷っていた、質問箱で頂いた質問にミッチリ答えていくコーナーを開催します。ツイートに表示される文量はあまりないし、かといって詳細に書こうとすると編集の融通が聞かなかったりと、質問がもらえること以外にあまり魅力を感じていませんでした。ブログの良いネタになるので、質問自体はお待ちしてます。

 

 この質問を見て、保健学科と編入試験の相性について書いてみたくなりました。まずは、他の学部と大きな違いである国試についてです。まず頂いた質問に対する答えとして、僕は4年生の夏に就活が終了して、年度末にある国試の対策を始めようとしていたときに先輩から話をいただいたので、在学中にしっかり編入試験対策ができたのは10.11月の2ヶ月でした。放射線技師の国試はそこまで難しくはないといえど、3ヶ月は集中して勉強したかったので12月からは国試対策を始めました。謎の自信を持っている国立大学生よりも、最近では私立や専門のほうがしっかり勉強しており合格率も高いという噂も。編入試験の勉強ができずイライラしていたのですが、研究室はかなり緩い()ところに所属していたのでその分就活や勉強に時間を捻出できました。他の学部の方は大方研究で忙しいと思いますし、国試を含めてもイーブンではないかと思います。

 

 学部での勉強内容と筆記試験の相性については、国試の範囲表が参考になるでしょう。放射線技師のものなのですが、

 

 

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実験室の現像液の匂いを思い出しました

 

 これが国試の範囲表です。編入で何が問われるか知らなかった当時は国試対策がうっとおしいことこの上なかったのですが、見返すと意外に役に立っていたようにも思います。基礎医学大要は生理学がガッツリありますし、放射線生物学ではDNAの周期や鎖切断、アポトーシスなどに触れるので、編入試験でいうと生命科学オンパレードという感じです。逆に、編入の勉強を始めてから何をやっているか理解できました。画像処理なんかで必要なフーリエ変換微分方程式も、一度は授業で触れていたからこそ数学、大学物理を対策するときに億劫にならずにすみました。当然放射線はそのまま出題されたり、量子化学の理解にも役立ちました。こうしてみると、筆記試験には他の学部の方より馴染み深く、独学の準備ができていた科目があったかもしれませんね。悪く言えば特化している範囲がなく、強みがないともいえます。物理がめっぽう強い工学部出身や、生命系ならお手の物な生物学科、既にTOEFLを持っているような優秀な方が羨ましいです。

 

 臨床については、よく医療系以外の学部出身の方が羨ましいですーと言ってくださいます。臨床に出た経験があると違うのでしょうが、僕のように学部を出たばかりのペーペーだと臨床実習に参加したことがあるだけで、なんとも言えないことが多いと思います。特に放射線技師は、治療部門以外は検査に特化した職種であり、あまり医療について取っ掛かりを作れるような体験は無かったように思います。言い訳するのは良くないと思いますが、看護師の方だとより医者や患者さんに近い実習があり、志望動機に活かせそうだなと思います。ですが志望動機については他のブログなどで散々語られている通り、学術的な成績が求められる場合を除いて経験の質はあまり問われることはなく、むしろその経験から無理なく医師になる理由を述べることが重要なので、相性にはあまり影響しないかもしれません。1ついいことがあるとすれば、医師がどのように働いているか、また病院の中の雰囲気を病院サイドで見ることができたことですね。具体的にどう繋がったというわけではないのですが、そういった経験が志望動機の言葉選びに影響してきますし、無理のない展開に繋がったのではないでしょうか。

 

 そして我らコメディカル一番のネックに、同じ医療職なのになぜ医師になりたいかという詰問質問があります。当然、以前の職業より患者さんと距離が近かったり、より自由がきいて自分の理想に沿った医療への貢献ができる、などの医師ではないとできないことを述べるのですが、言い回しによっては元の職種でもできてしまう内容になりがちです。されに面接をする先生方は、普段からコメディカルの方と一緒に働かれていることから受験生よりもその環境などに詳しいこともありえます。僕自身、努力して知識の限りを尽くして志望動機を作っていきましたが、やはり面接には面接官のほうが上手だというスタンスで臨んだところ、スムーズに進んだように思います。このあたりのすり合わせはかなり苦労しますが、医療職なので目標や理想の医師像は元からある、あるいは考えやすいと思います、ここが山場なのでなんとか隙のない文章を形にしてみてください。常に不安がることは良くないのですが、自信を持つところは持ち、良くないところは適時修正して本番でもそれを認められるような態度が望ましいかもしれません。

 

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不安と自信の使い分けに苦労しました

 

 最後にメンタルの問題なのですが、国家資格を持っているというのは大きな精神安定剤に繋がったと思います。最悪受験が失敗しても、場所を選ばなければ再就職のチャンスもあります。受験中も、クリニックで撮影の経験をさせてもらいながら、割のいいアルバイトをさせていただきました。院長先生も理解のある方で、空いた時間は勉強に使うことができましたし、かなり良い環境で受験に取り組めたと思います。良い意味で、使えるものは使っていっていましたね。高校生しかいない地域の自習室なんかもプライドを捨てて利用していまいた。通ううちに管理人の人と顔見知りになったり、高校生の集中力にも励まされました。あまり詳しく無いのですが、他の学部では新卒カードが大事だと思うので、自分も普通に就職していたら働きながらの受験を選択せざるを得なかったでしょう。僕の学力では合格も危うかったと思います。

 

  つらつら書きましたが、他のコメディカルから編入された方も多いと思うのでいろいろ意見を聞いてみたいですね。ではまた。